水溶性食物繊維はブドウ糖の吸収をゆるやかにし、食後の血糖値の急激な上昇を防ぐ。・コレステロールの吸収を抑制する。・胆汁酸を吸着し、体外に排泄させる。・腸管内で高粘度のゲルを形成して栄養素が拡散するのを防ぎ、栄養素の吸収を緩慢にする。・腸内でナトリウムイオンと力リウムイオンの交換反応により、食塩のナトリウムを排泄させ、血圧を下げる、という働きがあります。とりすぎて下痢症状をおこすと、ミネラルなど人体に必要な成分を排出させてしまうので、注意が必要です。水溶性食物繊維は、植物の細胞内にある貯蔵物質や分泌物で、水に溶け、食品の水分を抱き込んでゲル化します。人体に好ましくない物質の吸収を妨げ、便として排泄させるなど、人が健康を保つのに有効なさまざまな生理作用をすることがわかっており、特に肥満や成人病を防ぐ 効果が大きいことが認められています。ペクチン質、植物ガム、粘質物、海藻多糖類、化学修飾多糖類などがあります。水溶性食物繊維は粘度が高いので、多く含む食品を食べた場合、胃から小腸への食べ物の移動がゆるやかになります。また、ブドウ糖の吸収速度を緩慢にするので、食後の急激な血糖の上昇を防ぎます。糖尿病は、血糖を利用するために必要なインスリンが不足することによっておこる病気ですが、血糖の上昇がゆるやかであればインスリンが無理なく作用し、不足することはありません。現代人に糖尿病が多いのは、脂質のとりすぎによって インスリンの産生に負担をかけ、インスリン不足となるから、と考えられていますが、水溶性食物繊維にはこれを防ぐ効果があるわけです。水溶性食物繊維はコレステロールの吸収を抑制するはたらきがあることもわかっています。特にコンニャクマンナンやペクチン など、ゲル状になりやすい食物繊維を摂取すると、便への胆汁酸の排泄量をふやします。 胆汁酸は肝臓でコレステロールを原料にしてつくられるので、結果的にコレステロールを減らし、動脈硬化を予防することになります。水溶性食物繊維の血圧を下げる効果は特にアルギン酸にあります。アルギン酸は食品中ではカリウムなどの ミネラルと結びついていますが、胃の中では胃酸の影響でカリウムを放し、小腸でナトリウムと結びついてともに排出されます。一方、胃でアルギン酸から離れたカリウムは、腸から吸取されて血液中のナトリウムを追い出す役割をします。一種のイオン交換反応ですが、ナトリウムを排除することで血圧を下げるわけです。
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