ナイアシンは水に少し溶けて、熱、酸、アルカり、光に強く、酸化されにくい性質を持ちます。ナイアシンは糖質、脂質の代謝にはたらく・脳神経のはたらきを助ける・血行をよくする・性ホルモンやインスリンの合成にかかわる作用があります。1日に100mg以上とると、皮膚がヒリヒリしたり、かゆくなることがあります。ナイアシン欠乏症のペラグラは、日光に当たりやすい顔や手足に炎症がおき、悪化すると胃腸障害や精神障害も出ます。ナイアシンは、タンパク質に含まれる必須アミノ酸のトリプトファンを原料に、体内でも合成されます。このため、トリプトファンの少ないとうもろこしを主食とする中南米では、現在も、ペラグラがみられます。日本では、普通の食事をしているかぎり心配ありません。食欲減退、口角炎、不安感などの軽い欠乏症がみられる程度です。ナイアシンはアルコールや、二日酔いのもとになるアセトアルデヒドを分解します。お酒を飲むほど、ナイアシンが消費されます。つまみもなしに大量に飲む人は、ナイアシン不足に気をつけないと悪酔いします。最近、日本でみられるようになったペラグラ患者の多くは、アルコール依存症の人です。このほかナイアシンは血行をよくし、冷え性や頭痛を改善します。大量に投与することで血清のコレステロ−ルや中性脂肪を下げる薬理効果があることもわかっています。注意したいのは糖尿病の人です。ナイアシンはインスリンの合成に関与し、糖尿病と関係がありますが、最近、ナイアシンの大量摂取が糖質の処理能力を妨げるという報告があるので注意を要します。魚、レバー、肉などは、体内でナイアシンの原料となるトリプトファンも、ナイアシンそのものも豊富です。ビタミンB1・B2・B6が不足するとナイアシンの合成能力は低下します。大量にとると副作用が出ますが、食事からとるぶんには心配ありません。
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